もの忘れ外来について

認知症の進行を防ぐために
気づいた時が受診のタイミングです
もの忘れは加齢による自然な変化ですが、日常生活に支障をきたす場合は、認知症の可能性があります。認知症は、脳の機能が低下し、記憶や判断力に影響を及ぼす病気で、アルツハイマー型や血管性認知症など、いくつかの種類があります。初期症状は軽いもの忘れから始まり、進行すると時間や場所がわからなくなることもあります。しかし、早期発見・治療により、進行を遅らせることができるため、「最近、様子が違う」と感じたら、早めの相談が大切です。
Trouble
こんな場合はご相談ください
- 日付や名前がすぐ思い出せない
- 水道やガスを閉め忘れることが
増えた - 約束や日時を忘れやすい
- お金の管理や計算がうまく
できない - 以前はできていたことが困難に
感じる - おしゃれや入浴への関心が薄れた
- 外出する機会が少なくなった
- 家の中が片付かず、物が
増えている

もの忘れや怒りっぽさなど
認知症に伴うお悩みは
ご相談ください
当院では、もの忘れや認知症に伴うさまざまな「困った症状」について、ご相談や治療を受け付けています。怒りっぽくなる、感情のコントロールが難しいなど、ご本人やご家族が悩まれる症状にも丁寧に対応しています。認知症そのもののご相談はもちろん、症状に合わせた適切なサポートや治療をご提案いたします。一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。
当院のもの忘れ外来

確かな知識と豊富な経験を活かし、
専門性の高い診療を提供
診療を担当する院長は、日本精神神経学会専門医・指導医に加え、放射線医学の学位を有しており、脳画像を活用した精度の高い診断が可能です。また、総合病院での診療経験や内科との連携実績も豊富で、精神面・身体面の両方に配慮した包括的な医療を行っています。一人ひとりに合わせた適切な治療や生活サポートをご提案し、ご本人やご家族の不安を和らげられるよう努めています。もの忘れや認知症で気になることがあれば、ぜひご相談ください。
放射線医学
学位
日本
精神神経学会
専門医・指導医
日本認知症学会
専門医・指導医

提携病院との連携で
より専門的な検査にも
対応しています
もの忘れや認知症の検査は、患者さんの状態に応じて柔軟に対応しています。簡易的な検査は医院内で実施し、より高度な検査が必要な場合は、提携する総合病院へ委託することで、精度の高い診断を可能にしています。専門的な検査が必要な際は、適切な医療機関をご紹介し、診断から治療まで一貫してサポートいたします。安心して検査・治療を受けられる環境を整えていますので、気になる症状があるかたはお気軽にご相談ください。

国立長寿医療研究センターとの連携
当院は国立長寿医療研究センターと連携し、もの忘れ・認知症治療において先進的な検査や治験のご案内が可能です。先端の医学的知見をもとに、認知症の早期発見・進行抑制をサポートし、患者さん一人ひとりに適した治療を提供いたします。気になる症状があれば、早めの検査・相談をおすすめします

診断だけで終わらない
治療までを積極的にサポート
もの忘れ・認知症の診断だけでなく、治療にも積極的に取り組んでいます。さらに、通所リハビリテーションを実施し、患者さんの生活機能の維持・向上をサポートしています。デイケアではレクリエーションを中心に、通所リハでは運動を重視し、それぞれの目的に応じたプログラムを提供し、患者さんの心身の健康を支えます。診断後のケアまでしっかりと行い、安心して治療を続けられる環境を整えています。もの忘れや認知症の治療について気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
ケサンラ・レケンビを取り扱っています
当院は認知症施設認定を受けており、アルツハイマー病の進行を抑える治療薬「レケンビ」や「ケサンラ」を取り扱っています。いずれも認知症の原因とされるアミロイドβを標的とした新しい治療薬で、進行抑制が期待されています。治療開始にあたっては、適応の有無を慎重に判断し、総合病院での治療導入をご案内しております。治療開始から半年が経過し、安定期に入った患者さんについては、当院での継続投与が可能です。認知症治療に関するご相談は、どうぞお気軽にお問い合わせください。


血液バイオマーカー検査を用いた
臨床研究のご案内
当院では、アルツハイマー病を対象に、血液バイオマーカー検査と神経心理学的検査を用いたアミロイドリスク研究(ARISE Study)を実施しております。本研究は国立長寿医療研究センターに血液分析を委託することによって、アミロイドβ病理のリスクを血液検査で評価し、もの忘れに関する神経心理検査との相関性を検討することを目標としています。参加者のかたがたには血液検査を受けていただき、ご希望のかたにはアミロイドβに関連する血液バイオマーカー検査の結果をご説明差し上げます。
本研究は通常診療と並行して実施することが可能ですが、参加いただくにあたり実施する血液バイオマーカーによって参加費用をお支払いいただく必要があります。ほか、適切な研究の実施にあたり参加条件等ご説明させていただく必要がありますので、ご興味がございましたらお気軽にクリニックまでお問い合わせください。
血液バイオマーカー研究参加費用
検査名 | 参加費用 |
---|---|
Aβ42/40 単独 p-Tau 217 単独 Aβ 42/40 + p-Tau 217 同時 | 40,000円 50,000円 80,000円 |
※表示金額は全て税込みです
認知症の種類
アルツハイマー型認知症
最も一般的な認知症の一つで、長い時間をかけて脳の機能が徐々に低下していく病気です。記憶力や認識力に影響を及ぼし、進行すると日常生活に支障をきたすことがあります。近年では、初期段階で治療を開始することで進行を遅らせる薬が登場し、注目されています。ただし、病気が進行した後では適応できないため、もの忘れが気になり始めたら早めの検査が重要です。早期発見と適切な治療が、その後の生活の質を大きく左右しますので、気になることがあれば、一度ご相談ください。
血管性認知症
脳の血管に生じた障害による出血や虚血が原因で発症する認知症です。このタイプの認知症は血管の状態に大きく左右されるため、進行の仕方や症状の現れ方には個人差があります。治療では、脳血管の健康を維持し、障害の進行を遅らせることが重要です。特に、症状の変動が激しくなることや、怒りっぽくなる傾向がみられ、生活に支障をきたす場合もあります。こうした症状に対しては、専門的な治療が必要となる場合があります。気になる変化があれば、お早めに相談ください。
レビー小体型認知症
レビー小体と呼ばれる異常が脳や全身の神経に影響を及ぼす認知症です。特徴的な症状として、曇りの日や夜間に実際には存在しない人や動物が見える幻視が知られています。また、昼夜逆転や体の動かしにくさ、睡眠中の寝言、立ちくらみ、頻尿など、神経系に関わるさまざまな症状が現れることがあります。さらに、症状の変動が激しく、感情面での不安定さが見られることも特徴の一つです。治療では、それぞれの症状に応じた薬を使用することで、症状の緩和が期待できます。気になる症状があれば、一人で悩まず当院へご相談ください。
前頭側頭型認知症
記憶障害よりも行動の異常が目立つタイプの認知症です。性格の変化が現れやすく、衝動的な行動を抑えにくくなることが特徴です。具体的には、思いついたことを即座に行動に移したり、信号無視や万引きなどの社会的ルールを守れなくなるケースがみられます。原因となる神経の異常はさまざまですが、前頭葉や側頭葉の障害によって引き起こされる場合は「前頭側頭変性症」と呼ばれ、指定難病(127)に認定されています。行動や感情の変化が気になる場合は、お早めの受診をご検討ください。
高齢者タウオパチー
記憶障害よりも行動や感情の変化が目立つ神経変性疾患です。初期には、性格の変化や判断力の低下がみられ、衝動的な行動をとることがあります。例えば、社会的なルールを守れなくなったり、感情のコントロールが難しくなることが特徴です。原因は、タウ蛋白と呼ばれる異常なたんぱく質が脳内に蓄積し、神経細胞がダメージを受けることとされています。進行すると認知機能の低下が顕著になり、日常生活に影響を及ぼすようになります。現在のところ根本的な治療法はなく、症状に応じたケアが重要となります。日常生活の中で気になる変化があれば、お早めにご相談ください。